富士山の神社

富士山の神社:山梨県側

富士山の神社:山梨県側

富士山の神社:山梨・概要

江戸に近いことから江戸期以降、急速に富士山登山の拠点として人気の集まるところとなった山梨県側。貞観17年(875)の大噴火の鎮祭のため祭祀された甲斐国八代郡浅間神社の各論社をはじめ、重要な神社さんが数多く鎮座しています。

富士吉田市を中心に富士山登山のハイライトとも言える、見事な御来光を見ることができる吉田口登山道があること、富士五湖などの見所が多いのも人気の高い理由のひとつです。

延暦19~21年(800~802)の大噴火、貞観17年(875)の大噴火により周域の湖が堰き止められたり消失されたことなどから、記録としては不詳ではあるものの、それ以前にその創建が遡る神社も多数あります。

富士山の神社:富士吉田市

富士山北麓の登山道の中心となっているのが富士吉田市の吉田口です。吉田口の基点となる北口本宮冨士浅間神社をはじめ、明治期まで富士吉田市一円の総鎮守の産土大神であった小室浅間神社(下浅間神社)、富士山の絶景ポイントの新倉富士浅間神社などが鎮座しています。それとともに、富士山噴火を鎮めるため応神天皇第二皇子が宮守を司ったとされる阿曽谷宮守神社の伝承地など見所いっぱいです。

富士山の神社:河口湖方面

貞観17年(875)の大噴火を受け、甲斐国からも祀られるよう神意を承って創建された名神大社「甲斐国八代郡浅間神社」。その有力な論社とされているのが河口浅間神社です。杉の大木が立ち並ぶ境内は壮観。孫見祭や稚児舞などの重要な民俗文化財として伝わっています。また、富士御室浅間神社は富士二合目に奉斉されたと伝えられる富士山最古の社です。河口湖湖畔には里宮として鎮座していましたが、今は富士二合目から本宮を遷座し、同じ境内で祀っています。

富士山の神社:忍野・山中湖

国指定天然記念物で世界遺産に指定されている忍野八海。その忍野八海の守護神として鎮座しているのが忍野八海浅間神社です。忍野村内野に鎮座している浅間神社は、950Mほどの高台に位置しますが、大噴火で湖が消失する以前、近くまで水辺があったのではとの説も。そして山中湖に鎮座する山中諏訪神社は、諏訪神社としては珍しく、豊玉姫命を御祭神として祀り、安産祭りで知られています。

富士山の神社:全域

貞観17年(875)の大噴火を受け、創建された名神大社「甲斐国八代郡浅間神社」の論社とされているのが、笛吹市の浅間神社と市川三郷町の一宮浅間神社です。中でも、笛吹市の浅間神社は甲斐国第一の大祭として名高い川除祭の大神幸祭でも知られています。富士山噴火の鎮祭から、治水の安寧を担うようになる変遷を考える側面からも興味深いです。